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胃食道逆流症(GERD)は何科を受診する?症状・原因・治し方について

2023年12月8日

胃食道逆流症(GERD)は何科を受診する?

症状・原因・治し方について

〈導入〉

胸やけがする、慢性的な咳が続いている方は、胃食道逆流症(GERD)かもしれません。胃食道逆流症は身近な消化器疾患のひとつですが、放置していると日常生活の質を低下させる原因になることがあります。

そこで今回は、胃食道逆流症の症状・原因・治し方から、何科を受診すればいいか、逆流性食道炎との違いまで解説します。

 

胃食道逆流症(GERD)とは?

胃食道逆流症(GERD)とは、さまざまな原因で胃酸を含む胃の内容物が食道内に逆流する消化器疾患のことです。英語では「Gastro Esophageal Reflux Disease」と表記するため、略して「GERD」と呼ばれることもあります。

胃食道逆流症は、日本人の15~20%が罹患していると報告されており、患者は年々増加の傾向にあります。そのため身近な病気のひとつといえますが、放っておくと、食事が楽しめない、眠れないなどの影響が出るおそれがあります。

日常生活の質(QOL)を低下させないために、胃食道逆流症かもしれないと思ったら、早めに対策することが大切です。

 

胃食道逆流症(GERD)の症状

胃食道逆流症(GERD)の主な症状は「胸やけ」と、胃酸がのどや口まで逆流することで苦い感じがする「呑酸(どんさん)」です。胸やけは、空腹時や夜間にあらわれやすい傾向があります。胃食道逆流症では、次のような症状もあらわれるとされています。

・慢性的な咳(咳き込む)

・のどの違和感

・声がれ

・胸痛

・むかつき感

 

胃食道逆流症(GERD)と逆流性食道炎の違い

胃食道逆流症(GERD)と同じく「逆流」という言葉が入った消化器疾患に、逆流性食道炎があります。そのため「胃食道逆流症と逆流性食道炎の違いは何だろう?」と、思われる方がいらっしゃるかもしれません。逆流性食道炎は、胃食道逆流症のひとつに分類されています。

【逆流性食道炎と非びらん性胃食道逆流症(NERD)】

胃食道逆流症は、症状や食道の粘膜の状態によって、「逆流性食道炎」と「非びらん性胃食道逆流症(NERD)」に分類されます。胸やけや呑酸などの症状があり、食道にびらんや潰瘍などの異常が見られる場合は、逆流性食道炎の可能性があります。

一方で、胸やけや呑酸の症状があっても食道にびらんや潰瘍などが見つからない場合は、非びらん性胃食道逆流症の可能性があります。胃食道逆流症のうち、半数以上を非びらん性胃食道逆流症が占めています。

逆流性食道炎と非びらん性胃食道逆流症のどちらなのか、あるいは別の消化器疾患なのかを知り、適切な治療を受けるには、医療機関を受診する必要があります。

胃食道逆流症(GERD)の原因

胃食道逆流症(GERD)の主な原因は、加齢や暴飲暴食、不規則な食事などによる下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)の衰えです。

下部食道括約筋は食道と胃の境目である噴門部(ふんもんぶ)の筋肉で、胃から胃酸が出ないように調節する働きがあります。そんな下部食道括約筋の力が弱まると、胃酸が食道に逆流して粘膜を刺激してしまうのです。

食道の粘膜は、胃粘膜と違って胃酸の刺激から身を守る仕組みがないため、胃酸に触れると炎症を起こしてしまいます。

 

胃食道逆流症(GERD)そのほかの原因

胃食道逆流症(GERD)で考えられる原因として、次のことも挙げられます。

・ストレス

・肥満、妊娠、便秘、前屈などによる腹圧の上昇

・加齢や膠原病などによる唾液の分泌量の低下

・狭心症治療薬や高血圧治療薬(カルシウム拮抗薬) などによる影響 

 

胃食道逆流症(GERD)は何科を受診する?診断と治療法について

胃食道逆流症(GERD) かもしれないと思ったら、消化器内科がある医療機関を受診しましょう。

胃食道逆流症の疑いがあるときは、基本的に内視鏡検査で逆流性食道炎なのか、非びらん性胃食道逆流症(NERD)なのかを判断します。場合によっては、問診で医師が胃食道逆流症(GERD)であると診断し、薬物療法によって様子をみることもあります。

 

内視鏡検査について

胸やけの症状がある場合は、胃食道逆流症の診断やほかの病気の有無を確認するために、内視鏡検査を受けることが推奨されています。胃食道逆流症(GERD)の疑いで内視鏡検査を受けると次のことが分かり、治療に役立ちます。

・食道粘膜の状態

・食道粘膜の炎症・びらん・潰瘍の有無

・逆流性食道炎なのか、非びらん性胃食道逆流症なのか

・逆流性食道炎の重症度

・食道裂孔ヘルニアの有無

 

【食道裂孔ヘルニアとは?】

胸とお腹を隔てる横隔膜にある、食道が通る隙間を食道裂孔(しょくどうれっこう)といいます。食道裂孔ヘルニアは、胃の一部が食道裂孔より上へ(食道の方)飛び出した状態です。食道裂孔ヘルニアは、胃食道逆流症の原因になることがあります。

 

胃食道逆流症(GERD)の治療について

胃食道逆流症(GERD)の治療は、症状のコントロールと 日常生活の質(QOL)の改善、合併症の予防を目的に行います。症状がコントロールできれば、日常生活の質が改善されます。これは、逆流性食道炎でも非びらん性胃食道逆流症でも同じです。

胃食道逆流症の治し方は、薬物療法が基本となります。胃酸分泌を抑える、強力な酸分泌抑制薬の使用が胃食道逆流症には有用だとされています。薬の服用をやめると再発するおそれがあるため、医師と相談しながら継続して服用することが大切です。

胃食道逆流症の治療では、薬物療法とあわせて次のような生活習慣の見直しも行います。

・肥満の解消(低脂肪食や過食を控える、運動をする)

・胃酸の分泌を促す食べ物を控える(甘いもの、高脂肪食)

・禁酒、禁煙

・食後すぐに横にならない

・夜間に症状があらわれる場合は、遅い時間帯の夕食を避ける

・ベルトやコルセットを締め付けすぎない

・頭側(食道)を上げて寝る

医師にご相談の上、自分に合った方法で生活習慣の見直しを行いましょう。 

 

胃食道逆流症(GERD)かもしれないと思ったら医療機関へ

一時的な胸やけであれば、市販薬(OTC医薬品)での対処が可能です。しかし胸やけを放っておくと、食道が胃酸の刺激を受け続けることで症状の悪化を招くおそれがあります。市販薬を数日飲んでも症状が緩和しない、市販薬の服用をやめたら症状を繰り返す、いつも胃の調子が優れないときは、早めに医療機関を受診しましょう。

当院では内科や消化器内科の診療を行っており、内視鏡検査による症状の早期発見に注力しております。胃食道逆流症(GERD)かもしれないと思った方は、まずは当院までご相談ください。