骨粗しょう症と転倒予防:DIP 法でわかる骨密度
気候が安定し、外出の機会が増える5月は、骨の健康と転倒リスクを見直す絶好のタイミングです。高齢者の骨折の約80%は転倒が原因とされ、骨粗しょう症はその主要因となります。本コラムでは、骨粗しょう症の基礎知識から DIP 法 骨密度検査、転倒を防ぐ生活のポイントまで、横内中央医院の整形外科医がわかりやすくご紹介します。
骨粗しょう症とは
骨密度が下がり、骨がもろくなる疾患
骨粗しょう症は、加齢やホルモンバランスの変化、栄養不足などにより骨密度(BMD)が低下し、骨折リスクが高まる疾患です。日本では50歳以上女性の約半数、男性の約2割が該当すると推計されています。
骨折が生活の質を左右する
大腿骨近位部(股関節)や脊椎の骨折は、要介護・寝たきりの大きな要因です。骨粗しょう症の早期診断と予防が、健康寿命延伸には欠かせません。
日常生活でできる骨粗しょう症予防

栄養(カルシウム・ビタミン D・タンパク質)
- カルシウム:牛乳・ヨーグルト・小魚・豆製品を1日 700~800 mg
- ビタミン D:鮭・サンマなど、さらに日光浴15 分/日
- タンパク質:体重 1 kg 当たり1.0~1.2 g/日
栄養指導は提携薬局で
当院には常駐の管理栄養士がおりませんが、提携薬局にて管理栄養士による個別栄養指導が受けられます。検査結果を共有しながら、食事面からの骨粗しょう症対策をサポートします。
運動(骨への荷重と筋力強化)
- スクワット・かかと上げ運動を週 2~3 回
- 早歩きや階段昇降で骨に適度な刺激を与える
骨密度検査と早期診断
DIP 法での骨密度測定が可能
横内中央医院では、前腕を撮影するDIP 法(Digital Image Processing)を採用しています。短時間・低被ばくで結果が得られ、高齢者の方でも負担が少ないのが特長です。検査後すぐに結果をお伝えし、治療や生活改善の方針をご提案します。
(FUJIFILMホームページ:デジタル骨塩定量測定サービス+DIP for DRより引用)
骨代謝マーカーで治療効果をモニタリング
採血で骨形成・骨吸収マーカーを測定し、薬物療法の効果や骨代謝の状態を評価します。
転倒を防ぐ住環境改善と体づくり
住環境チェックリスト
- 浴室・階段・玄関に手すりを設置
- 滑りやすい床にはノンスリップマット
- 夜間は足元灯を活用し、照度を確保
- 電気コードやカーペットのめくれを整理
バランストレーニング
片脚立ちやステップ運動は前庭機能と固有受容感覚を刺激し、転倒リスクを低減します。リハビリ科にて個別プログラムを作成可能です。
横内中央医院のサポート体制
整形外科外来
DIP 法骨密度測定、X 線撮影、骨代謝マーカー検査を組み合わせ、最適な薬物療法を提案します。
リハビリテーション科
理学療法士が筋力強化とバランストレーニングを個別指導し、在宅でも続けられる運動プログラムを提供します。
栄養サポート(提携薬局)
食事指導をご希望の方には提携薬局をご紹介し、管理栄養士が骨を強くする献立を提案いたします。
まとめ
骨粗しょう症は「沈黙の疾患」とも呼ばれ、自覚症状がないまま進行します。骨折による寝たきりを防ぐためには、早期診断(DIP 法)・栄養改善・運動・住環境整備の四本柱が欠かせません。5月の今こそ、ご自身の骨と足腰の状態をチェックし、転倒しない身体づくりを始めましょう。気になる方はお気軽にご相談ください。
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電話番号:0463‑54‑5545
所在地:神奈川県平塚市横内2730−1
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キーワード: 骨粗しょう症 / 骨密度検査 / DIP 法 / 転倒予防 / 整形外科 / リハビリテーション / 栄養指導 / 5 月 健康コラム